賃貸事務所 港区のシステム開発

雨風がしのげ、ゆっくり眠ることができれば、まずは合格だったのです。
もちろん、先人たちは屋根を茅葺きや瓦葺きにしたり、壁を厚い土壁にしたりして、寒さ、暑さをなるべく防ぎ、すき間風が入りにくいよう、それなりの工夫をしてきました。 しかし、ほんの十数年前まで、住宅の「断熱」「気密」という発想自体、日本にはなかったといっていという順に進んできたのです。
もともと住宅の気密性が高かった欧米では事情は違うかもしれませんが、日本では「高断熱・高気密」というのが、歴史的な経緯をふまえた表現といえるでしょう。 戦後になって、こうした伝統的な日本の住宅でまず変わったのは窓です。

昭和40年代後半からアルミサッシが普及し、窓やドアのすき間から入る風が大幅に減りました。 「気密化」の始まりです。
それと相前後して、石油ストーブが普及し、部屋全体を温める「暖房」というスタイルが一般的になっていきました。 これが実は、日本の住宅の歴史上、極めて重大な変化だったのです。
日本では長い間、冬は囲炉裏や火鉢、コタッなどで手足を暖める「採暖」というスタイルをとってきました。 すき間だらけの家ですから、家の中で火を燃やしても、特に換気に注意する必要もありませんそうした意識がほとんど変わらないまま、住宅が気密化きれ、石油ストーブやその後普及したガスストーブで暖房したため、大量の水蒸気が室内で発生し、窓や押入れの中などで結露が起こるようになったのです。
日本の住宅はこの頃から、慢性的な結露の発生、そして換気不足に陥ったと思われます。 結露の発生をさらに促したのが、1973年と74年の2度のオイルショックを契機に唱えられるようになった「省エネ」です。
「省エネ」の一環として住宅では「断熱化」が進められ、これが壁体内結露(壁の内部での結露)をもたらしたのです。 ただ、話は少し複雑です。

当時の「断熱化」はきわめて中途半端なもので、薄いグラスウールをちょっと壁に詰め込む程度でした。 柱との間はすき間だらけ、電気の配線、給排水の配管のためあちこち穴を開けたり、断熱材がずり落ちていても問題にしないものでした。
そのため、結果的に内部結露があまり発生せず、発生しても自然に乾燥していたと考えられます。 理由はこういうことです。
石油ストーブなどで暖められた室内の空気には、熱と水蒸気が多く含まれています。 熱や水蒸気は、たくさんあるところから少ないところへ移動(拡散)する性質があります。
断熱材、特に繊維系断熱材の場合、熱は断熱材で遮られますが、水蒸気は断熱材の中にまで入り込み、外壁と接するところで冷やされ、結露水となるのです。 寒冷地の北海道では、十分な断熱効果を得るため、分厚い断熱材を壁にきちんと入れることが行われました。
「高断熱」の登場です。 その結果、壁の中で大量の結露が発生し、木材が3,4年で腐ってしまう事件が多発しました。
その原因を研究者たちが調べてわかったのは、壁を「高断熱」にするだけでは、内部結露が不可避的に発生するということでした。 「高断熱」と「内部結露」は密接な関係があったのです。
壁の中で発生した結露水は、壁の中がスカスカであれば、すき間から排出されることもあるでしょう。 しかし、壁の中にすき間なくきちんと繊維系断熱材を入れた北海道の「高断熱」住宅では、発生した結露水を繊維系断熱材が毛細血管現象でため込み、壁の中がずっと水浸しの状態になっていたため、ナミダタケなどが繁殖したのです。
以上のようなメカニズムをふまえ、「高断熱」にともなう内部結露を防ぐには、熱と一緒に水蒸気も遮断すること、具体的にはグラスウールなど繊維系断熱材では断熱材の内側(室内側)に防湿層を設けること、すなわち「高気密」が不可欠であることが認識されるようになりました。 また、もし内部結露が発生したとしても、それを排出するため、断熱材の外側に通気層を設けることも必要だということがわかってきました。
現在、繊維系断熱材では室内側にビニールの防湿シートを張り、外壁に通気層を設けることで、冬の内部結露を防ぐようにしています。 ただ、夏には逆のメカニズムで、やはり内部結露(逆転結露)が起こる心配があります。
夏は外気のほうが温度が高く、多くの水蒸気を含みます。 この熱と水蒸気は、外壁を通って壁の中に入ってきます。
そこに繊維系断熱材があると、熱は遮られますが、水蒸気はやはり繊維系断熱材の中にまで入り込み、室内側の防湿シートのところで止まります。 このとき、室内を冷房していると、結露が発生するのです。

このように、断熱材の種類や断熱工法によって「高断熱・高気密」を実現する方法や仕組み、注意点などが変わってくることはよく認識しておきましょう。 まず、断熱材の種類を整理しておきましょう。
断熱材は素材によって、「繊維系」と「発泡プラスチック系」に大きく分けられます。 また、施工方法によって、壁の間に断熱材を詰める「内断熱工法、充填断熱工法」と、外から家全体を包むように断熱材を張る「外断熱工法、外張り断熱工法」があります。
繊維系は内断熱工法、発泡プラスチック系は外断熱工法という組み合わせで用いられることが多いようです。 断熱材とは、熱(熱エネルギー)が移動するのを防ぐ部材です。
建築では昔からいろいろな断熱材が用いられてきました。 たとえば、畳もそのひとつといえます。
現在、戸建て住宅で使われる断熱材は約V種類程度あり、具体的な商品になると100以上はあります。 みなさんはいくつぐらいご存じでしょうか。
問題は、ひと口に住宅用断熱材といっても、実は素材の特性から施工の難易度、環境問題への対応まで、かなり差があることです。 その違いを知っておくことは、「高断熱・高気密」の理解を助けるだけでなく、これからの住まいづくりについての重要な判断材料となるはずです。
繊維系断熱材で代表的なのは、ガラス繊維を用いたグラスウールと、鉱石を用いたロックウールです。 このタイプの断熱材の長所はコストが安く、無機質なので燃えにくいことです。
袋に詰めたマット状で、施工がしやすいという点もあげられます。 他方、繊維系断熱材には、繊維の毛細管現象(細い管状のものが液体を吸い込む現象)により、吸水性・保水性が大きいという短所があります。

しかも、断熱材は一般に、水を含むと断熱性能が極端に低下するため、水を含んだ周囲に結露が広がる悪循環が起こります。 また、繊維系断熱材は気密性が低く、内部結露を防ぐための気密層を設けるには、断熱材とは別に防湿シートを壁などにすき間なく張る必要があります。
ざらに細かいガラス繊維などが空気中に飛散することによる健康への影響も危倶されると思います。 発泡プラスチック系断熱材は、プラスチック樹脂を発泡させた断熱材です。
プラスチック樹脂の種類によって、ポリスチレン、ウレタン、フェノールなどがあり、形態には板状、ビーズ状、現場吹き付けによる泡状などがあります。 これらのうち戸建て住宅の外断熱工法です。
発泡プラスチック系断熱材は吸水性・保水性も低く、特にポリスチレンはほとんど水や水蒸気をため込みません。 内部結露そのものが起こりにくいといえます。

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